考え事
師はもとより、瀬尾さんもご一緒すると自分の知識を億劫がらずマメに教えてくれるが、ものを教えるという行為はシェアすることそのものだ。私の、とっても苦手なこと。 師によく言われるのは「与えれば与えるほど豊かになる」。ここでだいじなのは、闇雲に与…
武術家とは、剥いても剥いても武術家が出てくる人のことではなく、武術を身につけた人、黒子のことであるようだ。一体化しているが一体ではない。でもって私が身につけるべき武術は師の中にあるのでなく、私の中に既にあるという。なので師が再三言われるよ…
先日言われた「今の時点で認識していることを整理し、認識されていないことは何なのか考える」練習をする。なんだかパラドックスのように思えて正直あまり積極的にしてこなかったが、考えてみると、以前の記事に書いた「守・破・離」の「破」をやれ、という…
目下の疑問はつまり何かというと ・進歩搬攔捶が拗歩で突くのはなぜか。 ・単推手では拗歩でなく順歩で突くのはなぜか。 ・単推手では弧を描いて向かってくる(はずの)相手の力の方向にわざわざ体を開いて立つのはなぜか。 そもそも問いの立て方が間違って…
単推手は、体軸の回転と掤(ポン)にした腕とにより、本来ならば向かい合う相手との間に水平方向の円運動が延々と続くもの。 と先の記事に書きました。左右、上下、末端と根幹、このように全身がつながって一つの運動体になるのが特徴の太極拳、その稽古であ…
ブログのSさんは別人格、とよく師に言われる。嘘くさく殊勝、体裁を繕っていると。 師にも読者の方にも、ブログの方が真の姿だと思っていただければ幸甚ですが、普通ならあなたみたいな人はとっくに破門になっている、とまで言われるからには、よほど腹に据…
「カッコ悪くなることを怖がらずに素の自分をモロだしにする勇気」かあ・・ この人は私を好いてくれているであろうという何人かを思い浮かべる時、その人は私が私だから好いてくれるんだろうし、私が望むカッコいい私じゃなくても、私は私でいれば充分なのだ…
I see my light come shinin' 私の光が輝きながら近づいてくるのが見える From the west down to the east 西から東へと Any day now, any day now まもなく もうまもなく I shall be released 私は解放されるだろう 『アイ・シャル・ビー・リリースト』。ボ…
山本貴嗣『SABER CATS』を再読し、あれこれと考えて再確認したのは、私の師の「私闘以外を禁ず」といういましめは美しいなあということ。私闘でおまえが本当の本当に護りたいものは何か? ということを武術は間断なく私に問うてくる。真のエゴとか、真の愛と…
・・だとつくづく思う昨今。 生活上の諸問題について、つらさの原因から遠ざかるという対処もときには有効だが、全てについてそれをやっていては行動が狭められて不自由になるばかりだから、行動が制限されないように護身を学ぶのだ。師によると、つらさの解…
「・・ただ、ひとつのことを私はあなた方の心構えに申さねばなりません。あなた方お二人は、この歳月の間にすっかり変ってしまわれました。これは弓道が、すなわち最後の深みにまで達する射手の自己自身との対決が、もたらしたものであります。あなた方はこ…
貧乏の極みから、百閒先生は師夏目漱石が自分に書き与えた大切な掛け軸を人に譲る決心をする。細君を先方に遣わし、微々たるお金を手に入れる。内田百閒『貧凍の記』より抜粋。 ・・先方の主人は、軸を繰りひろげてしけじけと見ながら、かう云つたさうである…
「Sさんは自分で自分の修行を片っ端から台無しにしていくし、それを何度も積み上げる私も疲労が尋常ではありません」 申し訳なさに身が縮む思いだが、それでも、師に稽古をお願いするしかない。 弟子というのは研究助手のような存在だという。いやしくも弟子…
師にお会いするまで恩師というものを人生で持たずにきた私には、師弟とは畢竟どういう関係であるのか、弟子たる私は師にとって何なのか、そこが今ひとつわからない。 先日の座学で、弟子には三種あると師は言われた。Sさんは自分をどの弟子だと思いますか? …
ポンを張った状態の腕を相手に向け、両腕で舟形を作る。右手首〜前腕部分で相手と接している。これが白桃会の基本の構え。 このとき、前に出した手は次のような働きをしている 稽古ではこの形で向かい合うことから攻防が始まるが、この際私が打たれる定番の…
ちゃんとやらないなら武術に失礼だからやめてくださいと言われた。言われても仕方ない。熱意がないのではなく、私のは間違った熱意なのである。それは師への依存というものである。私は性懲りもなく「ドラえもぅん」「答え教えて〜」とやっている。以前より…
ぽっと出のくせに語り続けて止まらない相対性理論について今日も書こう。 「テレ東」で開眼したと先日書きましたが、この曲が発表された当時、坂本龍一がTV番組で爆笑問題相手にこれを絶賛していたとネットで知りました。2009年のことで、私はその番組を見て…
人間に備わっている五つの感覚器官とプラスα 「α」は物事の本質を直観する感覚で、第六感とか心眼とかサードアイとか観る目とか呼ばれるものがそうかと。 匂いがわからない、音が聴き取りにくいというのはまだ経験がないが、目・耳・鼻・口の機能に依存する…
硬い硬いと言われるが、私の硬いのは体でなくて動きなのだそうである。 技を忘れないようにおさらいするのも大事だけど、私の場合はまず武術する心身をつくることじゃないかと最近思う。柔らかく、それでいて強靭な身体と心。蓮の葉や笹に例えられるような張…
すべてのものは実体としては存在しない。さまざまな関係性のもとに原因と結果が無限に系列しているだけ。「私」という実体もない。それはその時どきの条件で心に現れる心象にすぎない。 ははぁ〜・・・・。 わざわざ大文字で書くほど「私(I)」をソリッドな…
迷わず行けよ。行けばわかる。 いいかげんな道案内みたいだけど励まされる・・・猪木・・・ 師や土方さんの言うように、やるしかないから私はやるんだけど、どうやるか?について考え中 雑談中に師にたびたび「Sさんは武術と関係ない話ばかりしている」と言…
師から譲り受けた黒田鉄山先生のビデオテープがあれこれ試しても再生できず、ついに、このブルーレイの時代にVHSビデオデッキの修理を頼むことに。ずっと気にしていたせいか鉄山先生と座り稽古する夢を見た。向かい合った先生のひじ内側、前腕部寄りの部分を…
仏教に「女人悟り難し」という言葉があるそうで、師に言われる際の文脈では煩悩・執着・貪りなどが妨げになっているという事のようだ。私などもわりと煩悩の暴走にまかせて生きてきて、欲しいものは全て手に入れ、手に入らなかったものは本当は欲しくなかっ…
昨日のこと。かかりつけの病院の待合室で2時間ほど順番を待つ間、白洲正子と河合隼雄の対談集『縁は異なもの』を読む。白洲正子のことはときどき師から聞いていたが、初めて本で読んでみて、これは本当にすごい、正しいことを言う人だと感じた。中にこのよう…
受け取った血肉をどうやって自分の一部にして生かすか、ということに全神経をそそいでください。 今考える自分の課題は以下の三つ。 ・研究的態度に欠ける ・師を偶像視している ・自分の事にばかり熱心である 厳しい指摘、たとえば「習っても習いっぱなしで…
師がときどき「相」と「卦」ということを仰る。 「相」は世相、という言葉が示すように局面・トレンドといったもののようだ。「卦」というのは具体的には易者が占いに使う木の板を指し、タロット占いで並べられるカードのようなものと思われる。たとえばそれ…
6日の記事のコメント欄に、母親は子供を自分の一部とか延長とかポケモンとか思っている、みたいなこと書いたけど、それは私が勝手にそう考えてるだけで、子供側としては「私とママとは別々の存在だ、私は私だ」と思っていてほしいしそれが本当だと思う。親子…
小さい頃、隣に住んでいた年上の女の子と仲良しで、というか私が彼女をすごく好きで、ずーっと隣に入り浸っていて、毎日帰る時間になるとおいおい泣いて両家を困らせた。初めて泣かずに帰宅した晩、正座した母に今日は偉かったと褒められたのを覚えている。…
自分の稽古でも、師の稽古を見せていただくときも、師といる時は自分を離れて師の視点からものを見るようにする。と、意識の私は真摯に思っている。 魂を直接ぶつけるようにして教えても、教わる側が自分にしか意識が向いていなかったならば何も伝わりません…
ブログでは努めて等身大の自分を描こうとしていますが、殊勝な文章と現状との落差が激しいとの指摘を師から受けました。実像の十倍くらい盛ってると仰るのです。自分がここに書かれた10分の1も卑小とは・・・まぁ酷い時は本当に酷いところを師はご覧になって…