弟子のSです

武術の稽古日誌

2016-01-01から1年間の記事一覧

カフェで働く(完結編)

刺身やおでんやローストビーフが白飯にあわないよね~と言い続けるだけなら誰でもできる。武術は刺身に酢飯を、おでんに茶飯を、ローストビーフにバターライスを合わせていくという作業。 捨己従人とは、戦いの本質は状況と対戦相手によって決定され、主体は…

システマ聞きかじり

システマ(英語のsystem:体系・仕組み)、という掴みどころのない名前の武術について調べています。 ざっくりwikiから抜き書きすると・・・ ロシアの軍隊格闘術。徹底した脱力と柔らかな動作が特徴。 身体の使い方の基本原則はKeep breathing (呼吸し続け…

自由研究の題材が決まった

稽古前に、師の列挙された大東流合気柔術の流れをくむ5流派の動画と、そのうち合気道の4流派の動画を各流派2〜3本ずつyoutubeで見る。見ればそれぞれの動きの違いは一目瞭然と師は仰るが、どうにも私にはピンと来ない。合気道は「合気道だなぁ」ということし…

エビデンスにあたれ

どこかの展示室で毒キノコのいろいろ、みたいなのを見たときのこと。添えられた説明に「忘れてならないのはこれらのキノコが有毒であると判明するまでには夥しい数の先人の犠牲があったことです」みたいなことが書いてあった。フグもそうだが、そのものが人…

クウネル筋トレ稽古メモ

落ち込んだりテンパったり空元気で騒いだり、もう最近では自分の平常心というものがよく思い出せなくなっているけれど、バイトはいい勉強になっている。お山の大将で生きてきた鼻っ柱も折られたし、身がもたないから身体の使い方も工夫せざるを得ない。本格…

稽古メモ

自分は向上心に恵まれた人間だと思うが、それでいて師の要求に応えることは到底無理と怯む弱さがある。強くなりたくて師に「教えて欲しい」とは言えても、「教えてください」と言う勇気がない。「〜してください」には責任が伴うからだ。荒唐無稽に思える師…

稽古メモ

前回の記事について、「柔術寄りでやっていく」とは「太極拳寄りでやっていかない」ことではないと指摘される。またAorBの間違った考え方に陥っていた。やっていくのは、柔術であり太極拳であり、また剣術でもあるものだ。 剣と柔は同一の身体操作を軸として…

稽古メモ

太極拳の要素の反映されない組手をするなと長く言われてきた。それは動き方はもとより、戦い方についての教えであった。勝敗という相対性を離れ、終わりのないラリー、将棋でいうところの「千日手」に持ち込むこと。 ・・が、先日の稽古の際、今までとは少し…

美しくなるために

金曜稽古で、太極拳教室の生徒Kさんと話す。60代後半くらいのおじさんだ。 K「あなた(S)今日4時間も稽古するの、熱心だね」 S「でも最近は少なめなんです。強くなりたいんですけどなかなか」 K「あなた強くなるためにやってるんだ(笑)」 S「Kさんは?」 …

稽古メモ

最近、バイトで疲れてしまって文章を書く頭がはたらかない。好きな「コーヒーチェーンで読書」もしていない。店員の接客の様子が気になって本どころではないのだ。 先日、稽古のあとで師に「あなたは変わった。武術に飽きたんじゃないですか」と言われた。確…

カフェで働く

仕事を通して考えたこと。 ・多くの若者らと共に働いているが、参考になるのは悩まないタイプの人たちだ。彼らはわかんないものはわからん、できることしかできません、といった感じで現場に立っている。それでじっさい何とかなっている。私にはそれが「わか…

カフェで働く

最近はもっぱら手軽なツイッターに書き込んでいるが、人に励まされたり、迷惑をかけたり、助言されたりしながらなんとか研修を終え、明日からお店に立ってお客さんを迎える。緊張ですぐ頭が真っ白になる私が現場で落ち着くには知識で武装するしかないと暗記…

稽古メモ

スポセンで金曜稽古のおさらい。突いてくる相手の腕に手を螺旋状に、絡みつくように接して受ける。また相手の腕に直線的に圧をかけず、合気上げ・合気下げの要領で環状に接することで動かす。技への応用と、武器を持った相手への応用。 師のお手本通りにやる…

カフェで働く2

接客業での私の課題には二種類あって ・失敗すること ・失敗の後処理が悪いこと(なかったことにしようとする)。 後者が特に、自分大事という卑しい人間性を露呈して情けないのだ。 この苦境をどう乗り切るか。師に相談したところ「シミュレーションとロー…

カフェで働く1

ツイッターでは既に一人で大騒ぎしているのですが、某チェーンのカフェで今月から週3回働くことになりました。そこでの体験が武術的な示唆に溢れているので、バイトの話題も今後日誌に載せていこうと思います。 先日の地獄の(※個人の感想です)実地研修を通…

稽古メモ

スポセンの耐震工事完了、開館なる! 待ちかねた! 師があたりを払いながら道場を横切ってこちらに近付いてくるとき最大に緊張するのは初めの頃から変わらない。武術やりたいと言ってここに初めて来てから、もう4年経つんだなあ。 今日はいきなり推手から。…

言葉ではわからないもの

自分の課題は、先入観がまさって他者を等身大で見られないこと。上級者にならって技の知識を仕入れたとしても、私に人を見る目(感受性)がなければ意味がないと言われる。 師「あなたは言葉と記号にすぐ騙される。こうして私が話していても私の話す言葉の内…

稽古メモ

前回教わった、肩をいからせずに胸郭を開く動きは姿勢を良くするのに役立つというか、姿勢を良くしていると稽古になるというか。来月からパートで接客の仕事に就くのでいいこと聞いた。 春は別れの季節。子供空手で私よりも動きに風格があると言われた6年生…

稽古メモ

金曜稽古以外からしばらく遠ざかっていたが、今日は高田馬場で稽古。 師がツイッターで呟いておられた、肩を沈めたまま肋骨の下の方をアコーディオンのように開閉させて動く稽古をする。呼吸との関連はアドバルーンだと思えばよいと言われたとおり、吸って膨…

稽古メモ

先週の金曜稽古で私に投げられて首を痛めたSYさんは大事をとって今週は見学されていた。受身を教えてくださいと師にリクエストしていたようだが、師は、受身が必要になるような投げ方はこの護身術クラスでは稽古しません、問題はそんな投げ方をする人にあり…

♪ラルゴラルゴー

youtubeにつくった再生リスト『上田現ちゃん』の再生回数が、見たら500回を超えていた・・・! 人の再生でカウントが上がっていくの見たさに、自分では再生しないよう日々我慢してるっていう・・・ https://www.youtube.com/playlist?list=PLrcuIozqYiXM2vYE…

たぶん主客同一の話だと思う

師「生徒はお客さんなので私人だが弟子は未来の同僚、研修生なのだから公人でしかありえない。公人が '私にとっての武術とは~' というような物の見方をすること自体、ありえない」そうか・・・・ 師の「同僚」清風会・高無宝良先生「いつの時代でも人間関係…

稽古メモ

このところ、子供や年配の稽古相手にケガをさせる(幸い未だ大事に至ったことはないが、ヒヤッとするような)ことが立て続けに起きた。以前は自分がケガをすることが多かったが、どうしてこの頃になって加害者になる機会が増えたのか。私が自爆するのはいつ…

稽古メモ

再現性のまずさはともかく私の武術は100パーセント師の武術だ。師からしか学んだ事はない。師の2?年のキャリアの最先端だけを常に見せてもらい、師の方ではその先端に達するまでに膨大な経験と知識の蓄積があったはずだが、私はそうしたところをすっ飛ばして…

稽古メモ

先週の金曜稽古でも「我をなくして相手に合わせる」稽古をした。合わせると言っても突きや蹴りの手足に合わせるのではなく、それ以前の(突くぞ)(蹴るぞ)という相手の気配、気に合わせるのだ。合気だ。合わせて、相手のしたいように促し、自然な方向に一…

稽古メモ

前回の記事に師からいただいたコメント。 あなたは「私」を撓めて無理をして押さえつけたりすることで「公」の人になるのだと思っている。「私」が卵の黄身で「公」が白身や殻だと思っている。 逆です。人の本来は「公」であり、「私」こそ後天的に作られた…

組手の効用

私が今過ごす更年期は骨量が急激に減少するお年頃でもある。そこで骨粗鬆症のリスクを調べましょうと3年振りに骨密度を測定したところ、おお︎!? この3年間でほとんど変化がないではないか。増えてはいないものの(骨量減少は中高年女性に例外なく起こり、…

肯心ほしいな2

上の娘がほにゃららとした小学校時代を過ごした後、公立中学に進学したが水が合わず不登校気味で、私は担任に呼ばれた。「お母さん、人間には変わるべき時があります。今がその時です。彼女が変われるようお母さんも頑張ってください」。私は「いいえ、あの…

肯心ほしいな

人間は楽しむために生まれてきた。 だから何が起きてもどこ吹く風で日常を守る技術が要る。そう教わった。 師「今の自分は自分の本体ではない。人間の本体は未来にある。ゆえに現状の自分を信頼することは未来への可能性を潰す」 私「現状の自分が信頼できな…

欠点は存在しない?

固体がある条件のもとで液状化する。その現象自体に良し悪しはない。良い現象・悪い現象というものは存在しない、と前回の記事で書いた。そこから考えたこと。 自分にある何かしらの特質について人はそれを欠点と呼ぶけれど、それも絶対的に良い特質・悪い特…